青葉区 仙台文学館で、特別展「いわさきちひろの世界 ピエゾグラフ展」が、開催されます。いわさきちひろ氏は、やわらかな色彩と筆致で、子どものすがたを描きつづけた画家です。
児童書などでもよくみる、独特のにじみを生かした美しい水彩画を描かれる方です。
この展示会では、ちひろ美術館が所有するピエゾグラフを中心に、彼女の作品の魅力を伝えるとともに、彼女の人物像と生き方にも焦点を当てます。
特別展「いわさきちひろの世界 ピエゾグラフ展」
この展示会は、彼女がどのようにして女性として、画家として生きてきたかについても紹介される特別展になっているそうです。また、彼女が残したことばや身の回りの品々も展示され、彼女の人物像と生き方が浮かび上がります。展示を通して、いわさきちひろ氏の世界を存分に感じることができます。
会期は2023年4月29日(土・祝)から6月11日(日)まで。ぜひ会場に足を運んでみてください。
●会場 仙台文学館 企画展示室
●休館日 毎週月曜日、5月25日(木)
●開館時間 9:00~17:00(展示室への入場は16:30まで)
●観覧料 一般810円、高校生460円、小・中学生230円
※各種割引あり ※小・中学生の方は「どこでもパスポート」等の持参で無料
●主催 仙台文学館、ちひろ美術館
●後援 朝日新聞仙台総局、河北新報社、毎日新聞仙台支局、読売新聞東北総局、共同通信社仙台支社、時事通信社仙台支社、NHK仙台放送局、tbc東北放送、仙台放送、ミヤギテレビ、khb東日本放送、エフエム仙台
ピエゾグラフって何?
いわさきちひろ氏の作品は、大半が酸性紙に透明水彩で描かれており、制作後には50年近いものから75年に及ぶものまで、長い時間が経過しています。ちひろ美術館では、作品の保存に最大限の注意を払っており、温度、湿度、照度、環境管理に厳重に取り組んでいます。しかし、淡くやわらかい色調の水彩画は非常に壊れやすく、時間が経つにつれて紙の劣化や絵の具の退色が避けられません。
そのため、2004年から、作品の状態をデジタル情報として記録し、保存するアーカイブの構築を進めています。同時に、デジタル情報を元に、「ピエゾグラフ」という技術で作品を再現しています。
ピエゾグラフは、微小なインクドットによる耐光性のある画像表現技術で、いわさきちひろ氏の繊細な水彩表現を高度に再現することができます。また、光や温湿度の変化にも影響を受けにくいため、作品の公開の可能性を大きく広げることにつながっています。
いわさきちひろ氏について
いわさきちひろは、1918年に福井県武生市で生まれ、東京で育ちました。彼女は藤原行成流の書を学び、岡田三郎助、中谷泰、丸木俊に師事して絵を学びました。1950年には紙芝居「お母さんの話」で文部大臣賞を受賞し、代表作に『おふろでちゃぷちゃぷ』(童心社)、『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)などがあります。彼女の作品は、やわらかな色彩と筆致で描かれた子供たちの姿が特徴的で、現在でも多くの人々に愛されています。